マスキングテープ(以下マステ)好きなら必ず一度は悩んだことがあるのが、「マステ持ち歩き問題」。大好きなマステ、外出先でも気軽に使いたい……。でも、一巻きまるごと持ち歩くのはかさばるし、「何種類も!」となると、なおさら……。
そんな全マステ好きの悩みを解決してくれるアイテムがついに発売されました! その名も、ちいさく持てるマスキングテープ「KITTA(キッタ)」です。
カードサイズで4種のマステを持ち歩ける!
見た目は「これ、マステ?」と思うくらいコンパクト。紙製のマッチケースに似た台紙に綴じられている4種類のマステは、それぞれ縦15mm、横50mmにカットされて10枚ずつ綴じられ、裏にはシールのように剥離紙がついています。
使う時はそこから1枚切り取って、裏紙をはがして、ぺたり。もちろん、市販のマステと同じく和紙素材&弱粘着で使いやすさは変わりません。
台紙は折りたたむとカードサイズなので、手帳やペンケースにはもちろん、名刺入れにだって忍ばせることができますね。
例えば、これまで8種類の柄のマステを持ち歩こうとするとかなりかさばる荷物になってしまっていましたが、「KITTA」なら2ケースを手帳やペンケースに入れておけばいいだけなので、とってもコンパクト。
しかもマステって同じくらいの長さにちぎって(or切って)使うことが多いので、最初からちょうどいい長さにカットされているのは便利です…! 既に切れているマステだから、「KITTA(キッタ)」。直感的なネーミングもいい!
「KITTA」開発の裏側には、マステへの情熱が
この、今までありそうでなかったマステ「KITTA」を開発したのは、キングジムで女性向け文房具を次々と生み出している望月 真希子(もちづき まきこ)さん。これまで「毎日、文房具。」でも「オトナのシールコレクション」や「暮らしのキロク」についてインタビューしてきました。
大のマステ好きの望月さんも、ずっと「マステ持ち歩き問題」に頭を悩ませていたひとり。そこで、今回の「KITTA」の形状を思いついたのだそうです。ちょうどそのころ同社では女子高生へのヒアリング企画も進んでいて、そこでもやはり「マスキングテープをコンパクトに持ち歩きたい」という意見が出ていたとか。
早速、望月さんは「オトナのシールコレクション」や「暮らしのキロク」でタッグを組んだデザイナーの上田 歩輝(うえだ ほき)さんにマステ企画について連絡。すると、まだ何も詳細が決まっていないにもかかわらず、上田さんからはすぐに100案以上のデザインラフが送られてきたといいます。
▲最初に送られてきたラフ案。なが〜いダックスフンドやかまぼこなど、変わった柄もありました。
「実は、前々から望月さんと僕の間で『マスキングテープの企画をなにかやりたいね』という話をしていたんです。だから、『ついに来た!』と思って(笑)」(上田さん)
こうしてはじまった「KITTA」の開発。望月さんと上田さんは頻繁なやり取りを重ね、こだわりをぶつけあいながらデザインを決めていきました。
「もちろん定番のドットや花柄は外せないし、すこし変わったデザインも取り入れたい。でも手帳やノートに貼ったり、ラベルにしたりするとき、主張しすぎるといけないから、色や柄が奇抜になりすぎないように気をつけました。流行の北欧風デザインや女子高生の間で大流行中の“ゆめかわいい”デザインなども取り入れていたら全部で12種類にもなってしまいました(笑)」(望月さん)「1つのケースに4種のマステが入っているので、4×12で合計48種類の柄を考えることになったのですが、そこからが大変で。絵の具やインク、ペン、クレヨンなどあらゆる画材を使って、300種類くらいの柄や模様の素材をつくりました。ドットやチェックも、もとはすべて手描き。それをスキャンしてデザインに落とし込んでいます」(上田さん)
▲様々な画材で作った素材の数々。納得できる色・模様を追求しました。
そうなんです。「KITTA」のマステに温かみを感じるのは、上田さんの手描きの模様やイラスト、手塗りの素材でつくられているから。
例えばこちら。スタンダードな1色のマステがセットになった「プレーン」ですら、単なる1色のベタ塗りではなく、微妙な濃淡がついています。
ドットも正円ではありませんし、ストライプもチェックも、よく見ると線がまっすぐではありません。
線を描くのも色を塗るのもすべてコンピュータ上でできる今の時代。ですが、望月さんと上田さんはぬくもりある手描きの表現にとことんこだわりました。「望月さんとはメールや電話で頻繁にデザインに関するやり取りをしていたので、急いで返してしまったときや意見を強く言いすぎてしまったときなんかは、『今の返事、そっけなかったかな……』『怒ってるように聞こえたかな……』と心配になったこともあります」と上田さん。
すると望月さんは「そんなことまったくないです! いつも本当にたくさんのデザイン案を出してくださったり、こうやって担当者の気持ちまで考えてくださったり……こんな素敵なデザイナーさんはなかなかいません……! とても感謝しています」と笑顔。
なんだか2人の雰囲気と「KITTA」のぬくもりって共通する部分があるなぁと感じて、あたたかい気持ちになりました。
▲食パンやクロワッサン、メロンパン…ほんわかしたパンのイラストは色鉛筆で描いたそうです
実はこんなところにもこだわりが!?「KITTA」の秘密
こんな風にして生まれた「KITTA」には、実はたくさんの秘密があります。インタビュー中に教えていただいた「KITTA」の秘密をここだけでお伝えしましょう。
ここだって手を抜きません!ロゴマークの秘密
パッケージに印刷されているロゴマーク。これはマステが和紙素材でできていることにちなんで、鷲(ワシ)モチーフのマークになっています。
鷲は「KITTA」の「K」と社名「キングジム」の「K」を表すポーズをしていて、「キング」にちなんで頭には王冠を乗せています。しかも、実はキングジムのロゴマークが今のスクエア型のものになるまでは、鷲のマークだったので、それにも掛けているそう! ロゴひとつにもいろいろな意味が込められているのです。
ユーザーの気持ちを考えて。ケース(台紙)の秘密
カードサイズのケースは12種類それぞれ違う柄。中の4種のマステのうちのひとつと同じ柄になっています。そこには「ケースに入った状態でも中身のマステの柄が直感的に分かるようにしたい」という望月さんのこだわりが。マッチケース風になっていて開け閉めも簡単ですし、近くにゴミ箱がないときはマステが綴じられている台紙の裏側にはがした裏紙を一旦入れておいて、あとでまとめて捨てる……なんて使い方もできます。
組み合わせも計算されてます! 4種類のマステの秘密
マステの魅力のひとつは“透ける”こと。だから、違う種類のマステを重ね貼りして楽しむことも多いですよね。
「KITTA」では1つのケースに4種の柄が入っていますが、「フラワー」や「アサゴハン」、「アニマル」といったイラストモチーフのセットでも、必ずイラストの描かれていないマステが1種入っていて、1ケース持っていれば簡単に重ね貼りを楽しめるようになっているんです!
▲デザイナーの上田さんが最もこだわったという「アニマル」も、重ね張りできますよ。
マステユーザーの行動まで考えてこらされた工夫に、思わず驚いてしまいました。
出先でも気軽に使えて、交換も楽しめる
形状にもデザインにもこだわりが詰まった「KITTA」。1ケース持っていれば外出先でいつでも数種類のマステが使えるので、大活躍しそうです。
例えば、もらったショップカードをその場で手帳に貼り付けたり。
即席のラベルを作ったり……。
裏紙をつけたままのキレイな状態で、友達とマステ交換もできちゃいます。
学校にも、職場にも、カフェにも……。どこへでも気軽に持って行けて、いつでも使うことができる「KITTA」で、これまでのマステではできなかった楽しみ方を見つけてみてくださいね!
こんなあなたにおすすめ!
・マスキングテープをどうやって持ち歩こうか悩んでいた人
・たくさんの種類のマステを持ち歩きたい人
・出先でも気軽にマステを使いたい人
・同じ長さのマステをたくさん使いたい人
Information
KITTA(キッタ)|キングジム
http://www.kingjim.co.jp/sp/kitta/
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