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コラム|初めての万年筆選び〈前編〉〜 万年筆を選ぶ時のポイントは?〜

文房具好きと言いながら、私、実はまだ万年筆デビューをしていませんでした。

万年筆ユーザーの方々をよこ目に、安価な物ではないし、手入れも必要だと聞いたし……と手が出せずにいたのですが、ついに満を持して初めての万年筆を購入しました。

今回は私の「万年筆デビュー」に至るまでをレポートしたいと思います。

はじめての万年筆はどう選ぶ?

何から何まで初心者なので、手入れの方法なども含めいろいろと聞いておきたいと思い、販売だけでなく万年筆のペン先調整等もされているお店に伺いました。

万年筆購入にあたり、希望した条件は以下です。

  • 予算は1万円程度
  • 重厚なデザインよりは、シンプルでカジュアルなものをまずは持ちたい
  • 普段遣いのペン先は細字が好みだが、万年筆のインクを楽しむために太字にも興味あり
  • インクはブラックでなく色のものを購入したい

希望をお店の方にお伝えし、まずはカタログを見せて頂きながらメーカーごとの雰囲気や価格帯を確認。

カタログを見ていると金額はピンキリ。何が影響しているのかと疑問に思い質問をしたら、まず価格を左右するのは「ペン先の素材」とのこと。万年筆のペン先素材は主に金かステンレスの2種の素材で、それぞれにメリット・デメリットがあります。やはり金はクラシック、ステンレスはややカジュアルな印象です。

一通り「こんなのいいですね」などと写真を見ながら見た目の好みをお伝えして、店頭の商品からいくつか選定して頂きました。

万年筆を選ぶ時に欠かせない「試し書き」

まずは「細字(F)」のものから、さっそく試し書きしてみます。


同じ「細字(F)」のペン先でも、メーカーによって全く太さや書き味が違うことにとても驚きました。Aのメーカーの「細字(F)」がBのメーカーの「中字(M)」と同じような太さだったりします。

また、同一メーカーの同サイズのペン先でも、1つ1つ微妙に個体差があり、それも万年筆選びの奥深さ(愉しみ)であるということも教えて頂きました。

インクの補充方法の違いもチェック!

選び方の大きなポイントとして、デザインやペン先とは別に、「インクの補充方法の違い」がありました。現在広く流通している万年筆は、カードリッジ式コンバーター式本体へ直接吸入するタイプの3種です。

何本か試し書きしている間に、インクの補充方法についても詳しく教えて頂きました。

カードリッジ式は、既にインクの入ったカートリッジを差し込むだけという手軽で簡単な方法です。ただし、他の2種に比べメーカーの既製カートリッジを使用するため、インクの選択肢が狭くなります。

コンバーター式は、吸入の機能が備わっているスポイトの様な空の容器「コンバーター」を万年筆に装着し、ペン先をインクボトルに付けて吸入します。

最後に、本体自体にインク吸入の機能がある吸入式万年筆。カートリッジやコンバーターのように万年筆とは別に何かを用意する必要はなく、万年筆とインクがあればインクを入れることができます。一度に吸入出来るインクの量がコンバーター式に比べ多いのが利点です。

私の場合、いろいろなインクを使える楽しさも万年筆への期待のひとつだったので、コンバーター式と吸入式万年筆のどちらかに絞ることにしました。

見せて頂いた万年筆はすべてこのどちらかの方式だったので、あとはデザインや書き心地で選んでいきます。

本当にそれぞれ書き味も筆跡も違って、ついいろいろな万年筆を試したくなり、試筆用紙にびっしりと書き込んでしまいました。


あれこれとずいぶん悩みましたが、普段からたくさん使いたかったので、手帳への予定の記入や手紙を書く時でも使いやすい細字(F)に決定。万年筆本体もメーカーの印象やデザインが気に入り、同種の色違い2本のどちらかというところまで絞りこめました。

初めての万年筆に選んだのは……

手に持っては書き、眺めて、を繰り返しやっと「これだ!」と決めたのは、「Pelikan (ペリカン)デモンストレーター M205 ブルー」。

吸入式万年筆で、ボディーはスケルトン。中が見えるため、少しメカニックな雰囲気があります。


予算の1万円は結局オーバーしてしまいましたが、万年筆に関する知識を学びながら選ぶことができたため、購入後のメンテナンスへの不安も払拭され、満足度の高い万年筆デビューとなりました。

店主「ではペン先調整をしていきましょう。」
私「……???」

手に入れた万年筆を眺めながら満足気にしていた私は驚いてしまいました。ペン先調整というのは、てっきり使用癖でついてしまったペン先の歪みを修繕するものだと思っていたんです。

ということで、ペン先調整・店舗紹介編は後半に続きます。

<後編へ続く>

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ABOUT THE AUTHOR

はすみ
作る工程が垣間見られるものが大好物。大学では文化的側面から活版印刷の研究をしていました。「もの」を通して「こと」を感じたい。文房具は想いを伝えるための文化だと思っています。誰に何を使って伝えよう。この気持ちが私の文房具好きの原点です。 書く(描く)、見る、作る、伝える、贈る、 という観点で文房具をご提案します。

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