手紙に、名刺に…和の香りでおもてなし。「松林図屏風 文香」

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携帯やパソコンからメールも写真も映像もすぐさま送れる現代でも、手書きの便りでしか伝えられないもの、贈れないものって、たくさんありますよね。

したためた筆跡から感じ取れる人柄やそのときの想い、そして何より受け取った人が手紙の封を開けるときの何とも言えない高揚感……。

その瞬間をいっそう印象深いものにしてくれるのが「文香」です。

文香ってなに?

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文香とは、香木を砕いたものなど芳香を放つ原料を小さな和紙でつつんだもの。その名の通り「文(手紙)」に同封して「香」を送るためのものです。

平安の時代から、文に香りを焚きしめていた日本人。当時の恋愛は必ず恋文からはじまったといいますから、文に焚きしめる香りにもこだわっていたそうです。そんな平安の人々の文化を現代に受け継いでいるのが文香なのです。

等伯の屏風絵も楽しめる文香

今回、東京国立博物館のミュージアムショップで素敵な文香を見つけたので、購入してみました。安土桃山を代表する絵師・長谷川等伯の国宝「松林図屏風」をモチーフにした文香です。

文香

「松林図屏風」が印刷された台紙に3cm✕5cmほどの文香が2つ。特に印象的に描かれた松の部分が文香になっています。そこからふわっと漂よう和の香りは、決して派手ではないけれど日本的な美しさを持つ等伯の筆致となんとも合うこと。

手紙に、名刺入れに……使い方はさまざま

もちろん手紙とともに封筒に忍ばせて香りを送ってもいいですし、財布やバッグに入れて香りを楽しむという使い方も。

私は普段使っている名刺ケースに入れ、名刺に香りを移して使っています。

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名刺を受け取った人が、ほんのり匂う和の香りに気づいてくれたら嬉しいし、仮に気づいてくれなかったとしてもいいんです。はじめてのご挨拶のときの、私の密かなおもてなし。

最近では名刺入れ専用の「名刺香」という名で売っているものもあるようです。

小さくて薄い文香はさまざまな場所に入れておくことができるので、多様な使い方ができそうですね。かさばらないので外国の方へのプレゼントにもよさそうです。

こんなあなたにおすすめ!
・和の香りを送りたい人
・相手が封をあける瞬間を素敵に演出したい人
・和の香りをまといたい人
・日本らしくてかさばらないおみやげを探している人

Information

松林図屏風 文香
東京国立博物館 ミュージアムショップで購入/山田松香木店

– No Stationery, No life. 毎日、文房具。–